ブランディングは「信頼と安心」
ブランディングとは、ある共通のイメージをユーザーにもってもらい、顧客から信頼を得て、安心を提供する手法です。たとえばロゴやサイン、キャッチコピーの制作などがよく行われています。
今、ブランディングを積極的にすすめている企業も多いのですが、医療業界、とくに個人のクリニックではまだまだ重要視されていないようです。“お医者さん”の中にはは「ブランディング」といわれてもあまりピンとこないかたがいるかもしれません。広告や看板に多少(あるいは多くの)お金をかけたとしても、そこに表示されるロゴデザインやホームページデザイン、あるいはホームページのコンテンツにはあまり関心のないドクターも多いように思います。
正直を言ってしまうと、「あのロゴやデザインはないよな―」なんて思う看板やホームページが多くあふれています。
患者さんがどのクリニックに行ったらいいのか迷っているとき、選ぶのは「よいイメージ」のあるところです。とくに、患者さんの目が肥え、ネットで簡単に口コミや評価がわかってしまう昨今では「よいイメージ=ブランディング」が重要になってくると思います。
では、ブランディングの一環としてクリニックのロゴやサインをつくるとします。いったいどんなデザインがいいのでしょう。お洒落? スタイリッシュ? いいえ、そんなにカッコよくなくていいんです。
ほとんどの患者さんは、病状をよく聞いてくれて、丁寧に対応してくれるお医者さんと優しいスタッフがいる清潔なクリニックにかかりたいものです。ロゴやサインも「親切、やさしい、丁寧、わかりやすい、オープン、フレンドリー、明るい、健康」がイメージできるような、あたたかい配色や優しいデザインがよいと思います。
大切なのは「なんとなく安心できる」こと
街を歩いていて看板を見た時、「感じがいいな」と思ったり、ホームページをみた患者さんが「安心できそう」と思われるロゴの病院やクリニックは、患者さんが絶えることはありません。「なんとなく大丈夫そうだな、こんどいってみようかな」と思います。この安心感こそがブランディングです。ホームページなどでも、院長やスタッフの顔が出ている、ブログやお知らせが日々更新されている、なんていうのもブランディングとして大切な要素です。
逆に、なんだか適当に作ったように感じるロゴや看板、あるいはホームページなどを目にすると、ちょっと心配で入れません。「院長が怖かったらどうしよう」なんて思われたら、どんなに優れたドクターでも患者さんは来てくれません。
クリニックのロゴやサインが、スタイリッシュでカッコよすぎたり、奇抜で面白かったとしたら、それはお医者さんのイメージからは外れてしまいます。どの業界でもそうですが、とくに一般の人に向けたサインやロゴは、一瞬で業種が連想できるものにすることが大切です。