成功? 失敗? 注目のビジネスモデル サブスクリプションの話

こんにちは、サノです。今回のテーマは注目のビジネスモデル「サブスクリプション」です。5年で市場規模1.5倍と急成長を遂げているサブスクリプション。増税やコロナ禍での景気不透明で安定を望んで新たに参入する企業が増え、市場規模はさらに拡大すると予想されています。急成長のビジネスモデルといえど、必ず成功するわけではありません。新たにサブスクリプションを始めたいと考えている方向けにどのような点を重要視すべきか、具体例を交えながらご紹介していきます。

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サブスクリプションとは?

元々はアメリカで雑誌等の「定期購読」を指す言葉として使われていましたが、近年では製品やサービスを一定期間利用できる権利を顧客に与えるサービスとして使われています。「サブスク」と略して使われることが多いです。

有名なところではAmazonプライム、AppleMusic、NETFLIXがあります。

見放題、聴き放題以外にもより快適なサービスを受けられるようになるYoutube Premiumなどもあります。

 

日本でサブスクが広まったきっかけ

レンタサイクルやカーシェアリング、最近では傘のシェアリングサービスがあるほど世の中は「シェアリングブーム」となっています。今や「モノを消費する時代」から「シェアする時代」へとライフスタイルは変化しています。

2019年12月「日本サブスクリプションビジネス大賞」が開催されました。

月額1000円〜自宅でダイソン製品を試せる「ダイソンテクノロジー」や子供の成長にあわせて知育玩具などを届けてくれる「トイサブ」、700以上の美容室のシャンプー、ブロー、ヘアケアが通い放題になる「MEZON」など、さまざまな業態のサブスクリプションが受賞しました。

日本ではこの賞でサブスクリプションが広く認知されるようになりました。

 

ビジネスモデル比較「フロー型」と「ストック型」

「フロー型」とは製品ごとの販売や買い切りのサービスです。サロンの施術や住宅の購入が当てはまります。

売れれば大きな利益になりますが、同じ顧客から利益をあげるには再度課金してもらわなければいけないので増減の幅が大きく、収益が安定しづらいです。

また、高額の商品であればあるほど顧客が購入するまでの敷居が高くなり、売る側は営業力が必要となります。

これに対して「ストック型」は、顧客が継続的に課金する仕組みを作って収益をあげるビジネスモデルです。学習塾、顧問契約、アパートやマンションの賃貸がこのストック型に当てはまります。サブスクリプションはこのストック型になります。

最初の集客にこそ苦労しますが、顧客のニーズを的確につかめればシェアを確保しやすいです。

すぐやめることができるので顧客側の購入のハードルが低く、フロー型と比べると営業活動に割く労力は少なくすみます。

フロー型から事業を立ち上げ、実績やノウハウが積み重なればストック型に移行するというケースもあります。

 

サブスクを成功させる3原則「ONB(オンブ)」

日本サブスクリプションビジネス振興会がサブスクを成功させる3原則を定義しています。

  • O=お得さ
  • N=悩みの解決
  • B=便利さ

これらの頭文字をとって「ONB(オンブ)」と名付けています。この3つの条件を満たすことがサブスクリプションを成功させる鍵になっています。

では、実際のサブスクリプションサービスの成功例と失敗例を見ていきましょう。

 

月額制で車を乗り換えられる「NOREL」

まず、サブスクリプション成功例としてあげるのは「NOREL」というサービスです。

「NOREL」は月額制で自由に車を乗り換えられるサービスで、国産車、輸入車、メーカー、車種等問わず幅広いラインアップからお選びいただけます。最短3ヶ月ごとに車を乗り換えることができるので、車を購入するよりも気軽に様々なカーライフをお楽しみいただけます。

長期契約すれば割引率が高くなるプランや輸入車が乗れるプランなど複数のプランを用意し、多くのユーザーのニーズを満たしています。

所有する人が減少している今の時代にあったサービスといえます。

 

紳士服のAOKIが提供するサービス「suitsbox」

サブスクリプション失敗例としてあげるのはAOKIの「suitsbox」です。

「suitsbox」は好みやサイズにあわせてスタイリストが選定したスーツやシャツ、ネクタイのセットを提供するサービスです。

価格も良心的なため、一見利用者が増えると思われるサービスですが、開始からわずか半年で撤退することとなりました。

その理由として下記のことが考えられています。

  • 利用者層の想定が外れた
  • 豊富なデザインやバリエーションを用意できず、顧客満足度が低かった
  • 倉庫やクリーニングなどの運用コストも想定以上にかさんだ

スーツ離れが進む若者をターゲットにしたが、実際の利用者の年代は40代が中心となり、狙いとのずれがあったそう。

また、システム構築費ならびにサービス運用コストがかさみ黒字化が見込めないことが、サービス終了を判断した最終的な理由だと回答している。

 

まとめ

上記であげた成功例と失敗例から学ぶことは、事業者目線のサブスクリプションは成功しないということ。

ターゲットや市場を徹底的に調査し、ユーザーのニーズに応える仕組みづくりをすることがサブスクリプション成功の鍵になるでしょう。

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