身近なフォントについて

フォント見本はじめまして、畠山です。本日は「フォント」についてつらつらと書かせて頂こうと思います。

 

 

 

 

 

そもそも「フォント」とは?

こちらの業界ではおなじみの「フォント」、今更何をという話かも知れませんが、これについて正しく説明できるでしょうか?本来「フォント」は「同じサイズで、書体デザインの同じ活字の一揃い」という意味なのだそうです。それが転じて現在では「書体データ」の意味になったとのこと。一方「書体」は、「一定の文字体系のもとにある文字について、それぞれの字体が一貫した特徴と独自の様式を備えた字形として、表現されているもの」。簡略にまとめると「書体」をデジタルで体現するものが「フォント」といえばいいでしょうか。

仕事で頻繁に使うフォントは結構限られてくるのですが、その多くの由来などはこれと言って知りません。中には知っているものもありますけどね。数多とあるその全てを網羅しようなんて、とてもじゃないけど出来ません。そんなフォントの中から、実は意外な所で使われていたり、れっきとしたルーツがあったり…そんな話を少し紹介してみようと思います。

おなじみのフォント

Helvetica

helvetica
ラテン語で「スイス」を意味するフォント。Helveticaが日本で使われ始めたのは1964年、 東京オリンピック大会の亀倉雄策さんのポスターが初の利用事例ともいわれています。
1960年東京オリンピックのポスター
引用:グラフィックデザイナー亀倉雄策の作品

ドキュメンタリー映画が作られたり 、デザイナー以外の職種の方も知られているくらい有名なフォントです。

映画ポスター
公式サイト
引用:ドキュメンタリー映画『Helvetica』(2007)、無個性の個性

映画はたんにHelveticaを礼賛する内容ではなく、反Helveticaの潮流からの回帰といった半世紀にわたるデザインの動向を著名なデザイナーへのインタビューに基づいて検証する内容…とのこと。凄い硬そうな内容ですね…分布や認識率の高さから、もっと古いのかと思いきや存外新しいフォントです。

Futura

futura
ラテン語で「未来」の名を持つフォント。ドイツのパウル・レナー(Paul Renner)が制作し、1927年に発売されました。ルイ・ヴィトンやフォルクスワーゲン、ドルチェ&ガッバーナのロゴ、メルセデスベンツのパネルなど世界中で使われています。

Futuraサンプル01 Futuraサンプル02

色んな所に使われていますが、こうやってみるとハイブランドのイメージが強いですね。

DIN

din
私は数字によく使っています。ドイツ工業規格のために作られたフォントです。DINはもともとドイツ工業規格(=Deutsches Institut für Normung)の略称で、 工業製品の型番などの表記を標準化するために生まれたそう。目新しいところでは、東京で開催される2020年夏季オリンピック、『TOKYO 2020』のロゴ、組市松紋のワードマークでも使用されています。日本ではUNIQLOのロゴでおなじみですね

Sample_din_uni

身近なフォント

ここからはもっと身近なフォントについて紹介していきます。

Frutiger

frutiger
シャルル・ド・ゴール空港でみられるフォント
sample_frutiger
引用:AIR FRANCEホームページ内空港案内図より

空港のサインシステム用に作った書体で、空港内で使われている書体はほぼほぼこれです。行ったことないので実物を目にしたことないんですけどね。いつか行ってみたいですね。

Gotham

20_Gotham
当時、ニュースで目にした方も多いのではないでしょうか。オバマ前大統領のキャンペーンで使われていたフォントです。ウェブサイトの方でも所々使われているのがわかりますね。

sample_gotham

因みにこちらのフォント、日本も立候補していた2016年のオリンピック招致ロゴにも使われていたそうです。

A1明朝

A1minchooo
社会現象ともなった「君の名は」のタイトルはこちらのフォントを使用しています。

sample_A1kimi01 sample_a102

大ヒットでしたね。見に行かなかったですけど。(大流行すると萎えるというとんでも天邪鬼なので、周りから話だけ聞いてました。閑話休題。)後者は原作の人気からアニメ・ドラマ・映画と多媒体に展開がありましたが、こちらはアニメのもの。ゴシックの方は中ゴシックBBBを使用しています。

このモリサワA1明朝は、モリサワの写真植字用明朝体「太明朝体A1」をルーツとする書体。2005年にデジタルフォント化したとのこと。DTP用のフォント化にあたって輪郭をまるくする処理(モリサワ独自の表現では『墨だまり』というそうです)が施してあり、今までのデジタルフォントにありがちだった過剰な鋭さを抑えた字面になっています。

マティス

maticeEB
上の画像はEBのもの。映画の続編はまだなんでしょうか、エヴァンゲリオンの題字ほかに使用されています。

sample_matice

グッズなどでもメインに使われていて、ここから世に広く普及したとか。 公式でマティスについて言及したページも… 因みに、現在は一部では筑紫書体も使用しているそうです。つい先日エヴァンゲリオン展が行われましたが、そのポスターにも筑紫オールド明朝Bが使われていたんですね。

おわりに

こうやって少し周りを見渡すだけでも面白いフォントの世界が広がっています。今回はさらっとなぞるような感じでしたが、少しでもフォントについて興味を持って頂けたらなぁと思います。

*ロゴ関係は全て公式サイトより引用させて頂きました。
【参考】
人気フォントは時代を表す!?現役デザイナーが選ぶ、好きなフォントランキングTOP10+おまけ。
今年のトレンド!2016年最も売れたフォント、トップ50を集めてみた
フォントオタクなデザイナーが本気で選んだ「美しいフォント」20選【フリー&有償】
これだけは抑えておきたい!定番英字フォント18選
今さら聞けない?有名なフォント12種類の紹介とフォントの基礎知識について
エヴァンゲリオン公式フォント マティスEB TrueType版

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