いわたです。
写真は、以前、編集と印刷のおてつだいをさせていただいた自費出版で、保元・平治物語を口語訳した書籍です。
筆者のかたは、東京大学医学部卒で医学博士、ある大学の脳神経外科の元教授で、医療に関するエッセイなんかを、新聞や雑誌に寄稿したりと、とてもすごい先生。現在はリタイアし、趣味でこの本をまとめられたそうです。
打ち合わせのとき、先生がむかし書いた本をいただきました。新聞や雑誌に掲載したご自身のコラムをまとめたものです。脳の手術やはたらきなどを中心に書かれているその本のページをめくると「偏頭痛」というタイトルがありました。
ここに、わたしとまったく同じ症状が書いてあったのです。
実は、いまは起こりませんが、こどもの頃から40歳くらいまで、おかしな偏頭痛で悩まされていました。
わたしの場合はこうです。
その偏頭痛が起きるとき、まず、視界のごく一部がキラキラしてきます。「ん、なんだろ、気のせいかな?」ぐらいに。そのうちに、小さくですが、みえない部分がでてきます。文字を読もうとしても見えませんから、うまく読むことができません。
あぁ、いつものやつだ…… です。
しばらくすると、どちらか片方の目の奥が急激に痛みだします。眼球を指で力いっぱいにおされるように。こうなると、もう、目が痛いというか、目とそのさきの奥歯の根をギュッとつかまれるような痛みです。
こんな感じ。(以前wikiにあったイラスト)
この間、時間にして30分〜40分くらい。
このあと、かならずひどい吐き気がやってきます。ここが、つらいピーク。しばらくすると、それもおさまり、こんどはものすごく眠くなり、1〜2時間くらい深く眠ります。
ところが、目が覚めると嘘のように、気分がスッキリしています。雨上がりの夏の夕方くらいのスッキリです。
と、ここまで、いただいた本に書いてある内容とほぼおなじ。
このおかしな現象で病院でMRIやら眼科の検診やら、いろいろ検査しましたが原因がわかりませんでした。そもそも、検査時にはすっかり元気なので、ドクターも「どこもわるくないですね、次、痛くなったとき来てください」となります。
ネットが発達してからは、おなじような症状で苦しむ人も多いことがわかり、「閃輝暗点(せんきあんてん)」や「群発頭痛」という名前であることもわかりました。
芥川龍之介はこの病気で「歯車」という作品を書き、あまりの苦しさで自殺した、なんて、都市伝説まがいのエピソードもあるようです。
ちなみに、YouTubeでも、なりはじめの「キラキラ」をうまく表現した動画がアップされています(下)。興味深いのは、コメント欄でおおくの人が共感していること。なかなか、うまくかたちにできないからね。すごくわかるな。
そして、先生の本に原因も書いてありました。
この偏頭痛の原因であるが、これは頭の皮の病気である。頭皮の動脈が、発作的に拡張するのである。従って、頭の中に、つまり脳に病気があるわけではない。
— 中略 —
しからば、どういう原因で動脈が拡張するか、についてはわかっていない。
頭の皮の病気! どうやらその可能性が高そうです。年を重ねるうちに起こらなくなったので、まあ、だいじょうぶなんだろうな、と思ってはいましたが、すこしホッとしました。
ただ、こんなことも、書かれています。
大切なことは、他の病気に原因する頭痛と間違えないことである。その他の病気で、もっとも重要なものはくも膜下出血である。特にくも膜下出血が軽い場合は、偏頭痛と間違えられる。
もし、おなじような症状をおもちのかたの参考になれば。